子連れワンオペ一時帰国 EU出国時に「連れ去り」と思われないためにやったこと

旅行

フランス在住の主婦の私は、夫なしで子供を連れて日本に一時帰国するときに、「妻が子供を連れて一時帰国することを許可する」という意向の証明書(渡航同意書、旅行同意書)を書いてもらっています。3回帰国したなかで実際に使ったのは2回だけでしたが、スムーズに出国するために準備しておくことをおすすめします。

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国際問題になっている子供の「連れ去り」

国際結婚をした夫婦の片方が、子供を連れて不当に帰国するケースが増えており、社会問題になっています。簡単に言うと、夫婦のどちらかが子供を連れて勝手に自国に帰ることを防ぐために作られたのがハーグ条約で、フランスも日本もハーグ条約の加盟国です。

ハーグ条約では、一方の親が不法に子供を連れ去ることや留置することを禁じており、違反した場合には「子供の略奪」「誘拐」として罰せられることがあります。

息子のパスポートをもらうときに市役所で「同意書」の作成を進められる

私が初めて子供と一緒に一時帰国をしたのは、息子が10ヶ月のとき。息子はフランスと日本の国籍を持っています。日本大使館は遠すぎるうえにフランスのパスポートの方が安いため、フランスのパスポートだけを作って、フランス人として日本に連れて行くことにしました。

市役所からパスポートができたという連絡をもらって受け取りに行ったときに、とても気さくな担当の方と雑談に。私と息子だけで日本に行くという話になったときに、「外国人の妻が子供を連れ去って戻らないのが問題になっているから、妻が子供を連れて旅行するのことを許可するという内容の書類を携帯したほうがいい」と言われました。

当時、ハーグ条約のことは何となく知っているけれど、自分とは無関係だと思っていた私。夫も同じだったようで、市役所の方の話に驚いていました。

夫が書いた「渡航同意書」と渡航同意書のフォーマット

画像は実際に夫が書いた渡航同意書です。(個人情報は一応消しています)そのへんにあったA4の紙を半分に折り、ボールペンを使ってフリーハンドで…。「パソコン使って!」と心の中で叫びましたが、この程度で全く問題ありませんでした。この紙を持って市役所に行ってスタンプとサインをもらえば、公的な証明書の完成です。もちろん、できる方はパソコンを使っておしゃれに書いたほうがよいと思います。

JAL(日本航空)のサイトで英文のフォーマットを発見。このファイルに直接データを打ち込んで、不要な部分を消してプリント、さらにサインすれば立派な同意書が完成します!よく考えたら、フランス語よりも英語で作った方がどこでも使えて便利ですね。

JALの同意書サンプル:https://www.jal.co.jp/tabi/info/visa/miseinen/freesample.pdf

JALのサイトには、国別に片親が子供を連れて旅行する際の条件がまとめられていました。日本から海外に渡航する場合の条件ですが、海外で子育て中の方には参考になると思います。

未成年の単独・または片親のみ同行の渡航に条件のある国(JALのサイト):https://www.jal.co.jp/tabi/info/visa/miseinen/index.pdf

初めての一時帰国 出国審査で怪しまれ…

息子を連れた初めての帰国は、ナント→パリ→羽田というものでした。紙切れ(夫が書いた同意書)と夫のIDのコピーを持って日本に出発!EU圏を出るのはパリなので、パリで出国審査を受けることになります。夫とはナントの空港で別れていたので完全にワンオペ。もう家から遠くまで来てしまっているし、ここで何かあっても自力で帰ることはできないと緊張しました。

夜中の授乳があるうえに初めての赤ちゃん連れの飛行機にビビりほぼ徹夜だった私。やつれ顔&乱れ髪だったからか出国審査で止められました。なぜ日本に行くのか、いつフランスに戻るのかなど聞かれましたが、渡航同意書夫のIDのコピー私のフランスの滞在許可証を見せると解放してもらえました。

余談ですが…日本の入国審査では、息子のパスポートがフランスのものなので外国人用の長い行列に並びました。しばらく待っていると係員さんが来て、「お母さんが日本のパスポートを持っているなら日本人用の窓口に行ってもいいですよ」と。子供が小さいから優しくしてくれたのだと思いますが、時間を大幅に短縮できてラッキーでした。

3回目の一時帰国 子供たちと私の国籍が違うことでまた怪しまれ…

3回目のワンオペ一時帰国(息子・娘を連れて)のときには、パリでの搭乗手続きにかなり時間がかかりました。私のパスポートは日本、子供たちのパスポートはフランスなので、カウンターは少し緊張した雰囲気に。

担当者がどこかに電話をかけたあと、渡航同意書フランスの滞在許可証を持っているか聞かれました。渡航同意書(このときも手書きのペラペラのやつ)と夫のIDのコピーTitre de sejourを見せると、出国審査でもこの3つを必ず提出するように言われました。言われたとおりにやって出国審査はスムーズに。

ちなみに、2回目のワンオペ帰国は息子5歳・娘2歳だったのですが、子供の連れ去りよりも「人身売買」を疑われたようです。息子のパスポートは0歳のときに作ったもの。当然顔がかなり変わっていて、アムステルダムでの出国審査で息子だけ別室に連行されました。夫の渡航同意書を出せとは言われませんでしたが、ほくろの位置や眉毛の形などをじっくりと比べられてから解放されました。

フランス語と日本語しか話せない息子…。人見知りしない子でよかった。そして変なことを言わないでくれて本当によかったです。

子供が18歳になるまでは「渡航同意書」を持って行こう

フランスで子育てしている日本人の知り合いに聞くと、一度も同意書を出したことがないという人も多いです。ただ、私のように毎回どこかで止められるケースも。今後ハーグ条約での取り締まりもさらに厳しくなると思います。ハーグ条約では16歳未満の子供を対象にしていますが、念のため子供が成人を迎えるまでは、「渡航同意書」を携帯することをおすすめします。

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